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宇宙龍
叙事詩

蒼穹を駆ける宇宙龍

「宇宙の始まりに、龍がいた。その体は星雲そのものであり、息吹は太陽風となり、眼差しは銀河を貫いた。しかし今、その龍は消えゆく星々の間を、孤独に旅し続けている——」

第一章

星雲の目覚め

宇宙暦三万年の秋、オリオン腕の外縁部に位置する蒼輝星雲の深奥部で、何かが動き始めた。数億年の眠りから覚めた存在——それが宇宙龍・蒼輝(そうき)だった。

その体長は一光年に及び、鱗の一枚一枚には宇宙誕生以来の記憶が刻まれていた。青白く輝く長髯は太陽風を纏い、四つの爪は暗黒物質で編まれた鎖を引きちぎるほどの力を持つ。

蒼輝が目を覚ました理由はただ一つ。近くの恒星系で、かつて輝いていた七つの星が次々と消えているという異変を感じ取ったからだ。星の声は、宇宙龍には音楽のように聞こえる。その旋律が欠けていくのを、眠りの中でも感じ続けていた。

星座と龍

「星よ、なぜ沈黙する」と蒼輝は問いかけた。その声は重力波となって宇宙空間を伝わり、遠く離れた文明の観測機器を揺らした。しかし答えは返ってこなかった。消えた星々の場所には、ただ深い虚無だけが広がっていた。

「星は消えても、その光は永遠に旅し続ける。
しかし、消えていく星の悲鳴は、誰が聞くというのか。」

第二章

失われた星の声

蒼輝は銀河の中心に向かって旅を始めた。その巨大な翼が広げられるたびに、周囲の星雲が揺れ動いた。惑星系では、その影が太陽を覆い、昼が夜となった。生命を持つ惑星の住人たちは、天空に現れた巨大な龍の影を神の使いと崇め、祈りを捧げた。

旅の途中、蒼輝は一つの事実に気づいた。消えていく星々は無作為に消滅しているのではなく、ある一定のパターンを描いていた。その配列は、古代の宇宙語で「喰らう闇が来る」と読めた。

喰らう闇——それは宇宙の始まりと同時に生まれた、光を消し去る存在の総称だった。宇宙龍族の伝承では、この存在は「虚無の王」と呼ばれ、蒼輝の先祖たちとの戦いの末に封印されたはずだった。しかし今、封印が解けつつある。

第三章

鱗に刻まれた秘密

蒼輝は自らの体に刻まれた記憶を読み始めた。鱗の一枚は太陽系誕生の記録を持ち、別の一枚には二億年前の超新星爆発が焼き付いていた。そして、胸の中心にある最も古い鱗——それには「封印の呪文」が記されていた。

その呪文を解読するために、蒼輝は宇宙最古の図書館と呼ばれるアカシック星雲へと向かった。その場所には、宇宙誕生から現在に至るまでの全ての出来事が光の粒子として保存されていると言われていた。

星雲の入口に辿り着いたとき、蒼輝は番人と出会った。九つの尾を持つ天狐・彩光だった。「龍神よ、ここを通りたければ、まず自分の名前の真の意味を答えよ」と彩光は問いかけた。蒼輝は長い沈黙の後、答えた。「蒼輝とは、消えゆく青い光の意味ではなく、永遠に輝き続ける青の誓いだ」と。

天狐は満足気に道を開けた。「正解だ。龍神よ、あなたの旅はまだ始まったばかりだが、その答えを胸に刻め。最後の戦いで必ず必要になる」と言い残し、姿を消した。